戦争広告代理店/高木徹
記者会見のポイント
- シライジッチの語りは短いセンテンスで構成されており、区切りが明確
- 聞くものに合わせて関心を引きつける表情を作れる
- クライアントがほかの国の政府や国際機関に出した公式書簡のコピーをそのまま会見で公開する。こつはクライアントが手紙を出したら早く公開すること。しかし、ちゃんと相手が読んだことを確認してから
- メディア各社を動かすことのできるキーパーソンの連絡先を抑え、人事異動に合わせて更新する
- 記者会見では必ず数項目のポイントを立てた新提案を行う
- プレスキットの配布。シライジッチの経歴、公式ステートメントの内容をコピー、シライジッチが国連事務総長に出した手紙のコピーなど。記者が記事を書くときに参考になりそうなものすべて
- 会見をしたジャーナリストにはお礼の手紙を書く
メディアの関心を高める
- メディアと政官界向けのニュース配信システム、ボスニアファクス通信
- 情報の拡大生産 メディアでシライジッチの発言を流させ、FAXでほかのメディアに還流する
その他
- メディアの中で味方とすべきジャーナリストのリストをつくる
- サラエボ攻撃の映像が流れ続ければ、遠からず人々は慣れ飽きてしまう。
- PRの仕事はメッセージのマーケティング
- セルビア人をナチスになぞらえるとユダヤ人社会にホロコーストの犠牲者を冒涜していると受け止められる可能性があった
- ほとんどすべての文書で民族浄化を使った
- 国際的な首脳会議でありがちなのは、友好的な感じで世間話だけで終わってしまったということ。だれが何をどのように話すのかを事前に決める必要がある
- サラエボに西側記者のためのメディアセンターをつくる。記者が仕事をしやすいように、本国と連絡がとれるFAXと電話を用意し、机と椅子、ソファ、飲み物などを用意する。そこで、毎日記者会見を開き、モスレム迫害のニュースを伝えればいい
- 最初のニュースがスクープの形でもたらされたとき、主流とされるメディアが後追いをするかどうかで大きな波になれるかどうかが決まる
- 取材対象の本質がわかりやすい形で映像化できる事件が起きることが、インパクトのあるドキュメンタリーを撮影する上で必須
- 数日という短い間にさまざまなメディアに露出して同じ発言を繰り返すことが1つのアイディアを浸透させるために最も効果的
- その人の評判を落とすためには、根拠があろうとなかろうと悪い評判をひたすら繰り返す
ドキュメント 戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争 (講談社文庫)
- 作者: 高木徹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/06/15
- メディア: 文庫
- 購入: 28人 クリック: 241回
- この商品を含むブログ (165件) を見る