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NPOやソーシャルビジネスの創業・経営・マネジメント

CSR?いやいやダイバーシティーですよ。

企業の社会貢献活動は、メセナCSR、コーズマーケティングと変化してきました。次はダイバーシティーという流れに来ているのかもしれません。

IBMの注目すべき動き


個人的に最近気になっている会社がIBMです。ITという分野でも面白い論文等を発表していますが、今回はIBMNPONGOの関係性の話です。そういうふうに思うようになったきっかけが以下の2本のニュース。

朝日新聞の記事については、アクセシビリティとボランティアというエントリーで取り上げたことがあります。

さて、この2つの記事に共通するのはIBMがさまざまなNPONGOと連携をしながら、社会貢献活動をやっているということにあります。ただし、それはCSRという文脈でなく、IBMの活動 ダイバーシティー(人材の多様性)推進という文脈で紹介されています。

ダイバーシティーとはIBMのサイトによると

日本IBMでは、特に「女性の能力活用」、「市場のあらゆる人材の登用」および「ワークライフ・インテグレーション」に重点を置いた取り組みを推進しています。

とのことです。人材育成の一環の取り組みでもあり、社内環境の整備とも言えます。

NPOダイバーシティ


企業の社会貢献活動は、

  • メセナ:本業に関係なく、とりあえず社会的によいことをやる。

  • CSR:本業と関係していて、社会的によいことをする。

  • コーズマーケティング:社会貢献活動とブランディングを融合させる。

  • ダイバーシティー:社会貢献活動と人材育成を融合させる。


というような形で分類することができるかと思います(非常に粗い分類ですが)

元来、NPOというのは多様な人材で構成されている業界です。若者、子ども、母親、高齢者、障害者、外国人、地域住民、行政などなど。その結果、価値観の多様化、人に合った能力の発揮などを重視しており、企業活動にとってはそのような取り組みを学べる宝の宝庫なのかもしれません。

企業がこの多様化ということに取り組む要因というのは改めて書く必要はないと思いますが、


  • 消費者のニーズの変化

  • 従業員の多様化(女性、定年退職の延期、雇用形態など)

  • グローバル化


などがあります。今までのように、ニーズは画一的で、働くのは男性ばかりというわけにはいきません。

そこで、IBMNPOのそういった多様性に対して社員を取り組ませることにより、人材育成を行う、このようなモデルを考えているのかもしれません。

今後、ダイバーシティーは今までとは違う文脈で企業とNPOの協働を考えるきっかけになりそうです。