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NPOやソーシャルビジネスの創業・経営・マネジメント

NPO業界も搾取される若者たちなのかも。

NPOの場合は、「オモシロイ仕事」の上、「社会貢献に資している」という自己陶酔が働く業界なのかもしれない。

404 Blog Not Found:ちょっとはまともな仕事を選べって
「仕事が忙しくて出会いの機会もない!」と思っているあなたは、実は「それほど忙しい自分」に陶酔してはいないだろうか?それは働く方にとっても働いてもらう方にとっても危険な兆候なのだ。そして残念ながら、働いてもらう側は今のところその危険性に対してより鈍感だ。働く側に注意を促すと同時に、働いてもらう側もこの問題に関してもっと積極的かつ戦略的に考え抜くよう強く薦めたい。そう。従業員の「自己陶酔」に甘えることは、本当は雇用者にとってより危険なのだから。

はっきり言おう。NPO業界で、私たちのような若い世代の給料はめちゃくちゃ低い。月給15万円とか、もっと低い例も当たり前だ(月給が10万円切るとか)。僕だってその例にもれなく当てはまる。


でも、NPOのスタッフはIT業界に比べればまだマシにせよ、長時間働く。しかし、残業代?聞いたこともない。そんな業界である。もちろん、これには弾さんの言うような「オモシロイ仕事」という自己陶酔が当てはまる。「忙しい自分」に酔うというのは、非常に危険ながら、誘惑が大きいのだと思う。


しかし、NPOの場合は、それに乗算するように、もう1つの自己陶酔が誘惑してくる。それが「社会貢献に資する」という大義名分である。「俺たちは社会のためにやっているんだ。だから、長時間働いて、給料が安くてもいいじゃない。人のためにやっているんだから。」という自己陶酔が当てはまってしまうのだ。


NPOのスタッフが、日々「社会貢献、社会貢献」と考えているわけではないだろう。ただ、転職を考えるほどの時やキツイ時とか、この「いやいや、社会貢献なのだから」という足枷というか、歯止めが効いてくる。


NPO業界でも、そういった給与面に対する不満は根強い。しかし、それ自体が酒の肴になってしまう。NPOスタッフ間で飲むと、「本当に給料安いよね。」「だよねー」みたいな。どれだけ活動分野が違えど、そこだけは共有できる一体感となってしまう。たぶん、IT業界でいう「残業のしすぎで、自宅に帰れない」みたいなものだろうか。


もちろん、こういった給料面に対する改善策は常に検討されてはいる。例えば、地方公共団体や財団なんかの助成や補助金だけに頼るのではなく、自主事業を行って自主財源を確保するとか、企業との提携、タイアップとかを検討するだとか。しかし、まだまだ歴史が短い業界なので、当分は試行錯誤が続くのだろう。それまで、僕も含めた若者は頑張れるのだろうか?