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NPOやソーシャルビジネスの創業・経営・マネジメント

The Open Book of Social Innovation

明確なソーシャルイノベーションの定義は書かれていないようだ
 
以下、主にスケーリングの項目だけを読んだので、そのメモ。
 
イノベーションの拡散には供給と需要が必要
 供給 そのイノベーションがきちんと成果を上げること
 需要 進んでお金を支払うこと
 
供給
 有用性や金銭的価値を証明するための研究投資が必要
需要
 アドボカシー、認知向上、キャンペーンなどでニーズを向上させることが必要
 
供給と需要が一定以上に達すれば、
 ブランドの構築、フランチャイズ、連盟化、オープンライセンス、オープンブランドなどの戦略を実行
 
広がるアイディアの特性
 シンプルで、モジュール式で、新たな技術を必要としないこと
 
P.101
School for Social Entrepreneursのフランチャイズモデルの事例

SOCIAL FRANCHISING: A GUIDE FOR FRANCHISEES

フランチャイザー側のマニュアル(権利を与える側)
 

social franchisingの定義

social franchising is the use of a commercial franchising approach to replicate and share proven organisational models for greater social impact
レプリケーションやスケーリングと同義で使われることがあるが、これは正しくない
レプリケーションやスケーリングの戦略の1つにソーシャルフランチャイズがある
スケーリング戦略には6つある
 DISSEMINATION
 PARTNERSHIP
 LICENSING
 SOCIAL FRANCHISING
 JOINT VENTURES
 WHOLLY-OWNED
 
なぜソーシャルフランチャイズが重要か
 社会的目的と財務的目的を同時に達する
 
フランチャイズするべきかどうかを判断するためのチェックリスト
10個の質問があり、1問10点。75点以上でレプリケートできる
これは正確な科学的分析ではないが、弱みを明らかにして、それを強化するために使える
要は3つの質問に要約できる
 強みはなにか、弱みはなにか、どのように改善できるか
 
フランチャイズするための重要なツール群
- A business model, with associated systems and processes, which has been codified into an operations manual*
- A legally-binding franchise agreement (see sample agreements section)
- A common brand (usually trademarked); often a centralised marketing budget
- Training and support provided from the centre (at start-up and ongoing)
- Demand (or need) for the model to be replicated elsewhere, from potential franchisees, investors or end-users
- Quality assurance system (including monitoring performance)
- Clear franchise fee structure (initial and ongoing)
- Learning culture (openness to feedback, innovation, new practice)
マニュアルの目次、構成についても紹介されている
フランチャイズ同意書の位置づけ、作り方など
フランチャイズフィーの考え方
 
ソーシャルフランチャイズと商業的なフランチャイズの違い
 目的
 誰がやるのか 個人か組織か
 ソーシャルフランチャイズは財務的な評価だけではなく、社会的目的の評価も行う
 商業的なフランチャイズはリスクが少ないということでお金を調達しやすいが、ソーシャルフランチャイズは事例が少ないため、そうではない
 もちろんそれぞれが似ていることだって多い
 
QA
フランチャイズは収益を強化してくれるか
コアビジネスから乖離しないか
通常のビジネスと切り離すべきか
フランチャイズという言葉はソーシャルビジネスのイメージを損なわないか
やりながら学ぶではダメか
投資家はフランチャイザーにもフランチャイジーにも投資するのか
知的財産をどのように守るか
初期にスケーリングに対してどのようなプレッシャーがあるか
レプリケーションは安くできるか
フランチャイジーに最も求めるべきことは
テリトリーの理想的な数はあるか
品質保証で最も効果的な方法は
 
事例
Aspire
 倒産事例。モデルが立証されていないにも関わらず、フランチャイズ化。
Fruit to Suit
 うまくいっている事例。外部資金を手に入れるためには評価基準が必要。
Greew-Works
 参入障壁の低さ。初期のサポート。
Hidden Art
 芸術家、デザイナーのビジネスサポート。フランチャイズは失敗するが、ほかのアライアンス形式で出戻り中
School for Social Entrepreneurs
 助成金の獲得がうまくいっている
Sunderland Home Crae
 比較的うまくいっている
 

New Literature Review for Funders on Scaling Impact

*Introduction
Social Impact ExchangeはGPN、Duke universityの元で設立。ソーシャルインパクトを拡大するための方法論を共有するマーケットプレイスの設立が目的。
このドキュメントは、今までのソーシャルインパクトの拡大について述べた論文をレビューするためのもの。

Evolution of a Scaling Initiative GPNがつくったスケーリングの流れ
1. Assessment: Evidence of Efficacy and Readiness to Scale
 その団体がスケールできているかどうかを判断する
 団体の過去のパフォーマンス、イニシアチブ、投資価値などを測定する
2. Business Model Development: Strategy for Scaling and Growth Business Plan 要はインパクトをスケールさせるためにどのような計画を持っているのか
 新しく支店をつくる、パートナーをつくる、アイディアを広めるなど
 ビジネスを拡大させる戦略理論はいっぱいあるが、ソーシャルチェンジは少ない
 最近はハイブリッドバリューチェーンやオープンソースの戦略などが流行り
3. Implementation and Roll-Out
 実際に実行するフレーズ、そしてお金がかかる
 スケールするためのキャパビルに必要なもの、スケールを支援するために効果的な方法はなにか、などについて多くの研究あり
4. Evaluation and Ongoing Improvements
 パフォーマンスの測定のためのツールやフレームワーク
 ただし、財団が使えるベストなものはまだない

*Summary
文献のほとんどが実務家向け
funder向けのものは約1/3。特に財団やコンサルファーム、中間支援が手伝っているプロジェクトなど。
組織そのもののスケーリングからインパクトのスケーリングに議論は移り変わってきた
地域的な複製から、複製ではないスケーリング戦略もある。
地域的な複製の戦略に比べると、複製ではないスケーリング戦略の数はまだまだ研究がなされていない
FSGのcollective impactからAshokaのハイブリッドバリューチェーンまでコラボ戦略は増えている
キャパビルから実際にインパクトを生むための投資への流れの加速(オバマのソーシャルインパクトの部局など)
インパクト投資の勃興

centers.fuqua.duke.edu