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「会議ファシリテーション」の基本がイチから身につく本

 

「会議ファシリテーション」の基本がイチから身につく本より。

  • ファシリテーターとは「結論を出す会議」ではなく、「合意を図りながら結論を出す会議」の進行役のこと。
  • 発言回数や発言時間が誰かに偏ることない進行をする。
  • できるだけたくさんの意見を出しあって、その中から一番いいものを選ぶ。

アイスブレイク

  • 会議の前に参加者全員が一度を口を開いておく。
  • 通常の会議では近況報告(私的なできごと)が一番よい。この間は1人1分と決めて、あらかじめ参加者に伝える。
  • 慣れてきたらほかのテーマもやってみる。
    • みんなの知らないあの人
    • 最近のニュースで気になること
    • 人生で一番輝いていたとき(私の自慢では盛り上がらない)

雰囲気づくり

  • 机の配置:口の字(四角形で真ん中に空間ができる)ではなく、島の字(真ん中に空間ができない)を使う。
  • 実物の資料(文字ではなく、写真や模型などのビジュアルなもの)を用意する。1人に1つではなく、何人かで共有できるようにする。
  • 主催者のあいさつで堅苦しいこと、参加者の思いを分かっていないことを話さない。「今日は、とても重要なことを話します。自分の役職などは一旦忘れて自由に意見を出しあってください」
  • 当日までに資料を読んでくださいと言うのではなく、「先に資料を読んで、何日までに質問や意見を事務局に提出してください」など事前に意見を集約する。
  • お茶とお菓子は必須。
    1. 初回は評判のお菓子。
    2. 2回目は参加者の好みを変えて。
    3. たまに生もの(くだものなど)。
    4. 究極は参加者が持参。
    5. 健康茶も効果的。

合意形成サイクル

合意形成型会議が向いているところ

  • 問題解決(何か問題が起こったときの解決策を考える)
  • 目標設定(年間、月間目標の策定)
  • 企画立案(新しいプロジェクトやキャンペーン)
  • ルール・マニュアルの徹底

ステップ

  1. 議題を選ぶ。
  2. 雰囲気をつくる。
  3. 合意形成サイクル(個人→グループ→全体の順で話し合う)。
  4. まとめる。

個人で考える

  • 会議のはじめに、5~10分の時間を取り、参加者に自分の思いをすべてカードに書き出してもらう。

カードの使い方

  • ポスト・イット(7.5cm*10cm)を使う。
  • 多めに用意する。
  • 3色ほど用意する。
  • 読みやすい字で書く。
  • 文字は少し大きめに書く。
  • 1枚に書くのは50文字くらい。
  • サインペンで書く。
  • ひとつの意見は1枚に書く。
  • できるだけたくさん書く(たくさん書いてくださいよりも、20個書いてくださいのほうがよい)。
  • 書きだす時間は5分~10分。
  • サンプルをホワイトボードに貼る。

グループで考える

  1. それぞれの意見を出し合う。
  2. その意見を整理する。
  3. さらによい意見をみんなで考えて、ひとつの意見にまとめる。

具体例(すべてグループで行う。ファシリテーターではない)

  1. 意見の書かれたポスト・イットを模造紙に全部貼り出す
  2. 意見の似たもの同士を集める(15分~20分)
  3. 似たものをマジックで囲む
  4. 丸で囲んだ意見に見出しをつける

会議グッズ

  • 模造紙とA3の紙
  • 6色水性マーカー
  • ポスト・イット
  • 黒のサインペン
  • A4の紙
  • キッチンタイマー
  • お菓子、お茶

全体で考える

  • グループごとにまとめたら、その意見を全体に発表する。各グループは2分くらい。
  • サイクル
    1. 全体に発表する
    2. その発表について個人で自由に発言する
    3. 新しい論点が見えてくる
    4. 再び個人で考える
    5. 再びグループで考える
    6. 1.に戻る
  • 最後は自身をもって多数決で決める。

進行の技術

  • 意見を言っていればいいという姿勢からは結論をつくるのは自分たちの責任であるという主体的な姿勢は生まれてこない。
  • 会議の準備と片づけを全員でやる。
  • 会議グッズを複数、少し多めに、余分なものまで用意する。
  • 会議の進行を「みなさん、どうしましょうか?」と投げる。
  • 時間を守れるように、ファシリテーターは時計係をせずに、ほかの人に交代でやってもらう。
  • 会議の途中に残り時間を口頭で知らせたり、ホワイトボードに時間をカウントダウンしたり、タイマーをホワイトボードに貼りつけたりする。
  • 参加者がホワイトボードのところに出てきて、書きながら/書かれたものを指しながら、発言するようにする。

ホワイトボードの使い方

  • ホワイトボード用のマーカーと模造紙用の水性マーカーをそれぞれ黒・青・赤、1本ずつ用意する。
  • ホワイトボードを2台以上用意する。
  • ホワイトボードの代わりに模造紙を使う。
    1. 2時間くらいの会議で5枚、6枚は使う。
    2. 方眼の薄い線が引かれているものを使う。
    3. 書き終わった模造紙は参加者の見えるところに貼っていく。その場所をあらかじめ考えておく。
    4. すぐに模造紙を貼れるように、テープを適当に切っておき、ホワイトボードの下あたりに用意する。
    5. 新しい模造紙をホワイトボードの裏に貼り付けておくと便利。
  • 会議が始まる前にぞうきんなどで拭いておく。
  • 会議の前に会議の名前や議題、注意事項などを書く。
  • デジカメ、白いガムテープ(模造紙に間違えて書いたときの消しゴムがわり)、指示棒があると便利。
  • 縦三分割法(ホワイトボードを縦に三分割して、左上から順番に書く)、放射線法(真ん中にキーワードを書き、その周りに書く。マッピングのような方法)。。

板書のテクニック

  • 発言はポイントを書く。
  • ポイントを書くために、発言をある程度聞いてから書く。
  • 2~3人の発言を聞いてから書く方法もある。
  • 発言が早い場合は、キーワードのみを書いておく。
  • あまり大きな字で書かない。
  • 通常は黒、大切な事は青、決定事項は赤で書く。
  • 見出しは1.→(1)→①と小さくなっていく。
「会議ファシリテーション」の基本がイチから身につく本

「会議ファシリテーション」の基本がイチから身につく本