NPOが収入を得るための10個のファンディングモデル
Ten Nonprofit Funding Models | Stanford Social Innovation Reviewをざっと訳したので共有。アメリカと日本では、寄付市場も行政機構もかなり異なるので、あくまで参考程度。
では、スタート。
NPOは、会社と異なり、受益者と収入源が一致しない。そのため、ビジネスモデルではなく、ファンディグモデルと名付ける。ファンディングモデルは、ファンディングのみを扱い、受益者に対するプログラムやサービスを扱わない。
1.HEARTFELT CONNECTOR
あらゆる収入階層の人たちが、共通して関心のある課題を取り上げて、以前には存在していなかった場所でその人たち同士をくっつける。環境や国際、医療などが代表的。Komen FoundatinoのSusan G. Komen Race for the Cureというイベントなど。120ものランニングイベントを開催して、100万人以上が参加する。
2.BENEFICIARY BUILDER
受益者に何らかのサービスを提供することで、あとから追加の寄付などをもらう。病院や大学。通常はフィーをもらうわけだが、すべてのフィーをサービス対価からはカバーできない。過去に受益者だった人たちと長期的な関係をつくろうとする。
3.MEMBER MOTIVATOR
個人からの寄付。その個人はNPOのメンバーであって、NPOが取り組む課題が個人の日々の生活に欠かせない。集合的利益。宗教、環境、アート、人権などの分野。National Wild Turkey Federationなど。
4.BIG BETTOR
少数の大きな寄付者からの寄付で成り立つ。主要な寄付者が設立者でもあったり、ある個人的な課題を解決したいと思っている。しかし、団体が大きく成長すると、新しく重要な課題を解決することを決めた寄付者からの支援を得る必要がある。医学的研究や環境問題など。その課題を解決すれば大きなお金の流入があったり、その課題を解決するための特殊な方法を持っているからお金が多く集まる。
5.PUBLIC PROVIDER
行政サービスの代替事業を行うことで行政から資金を得るモデル。今までも存在した事業を実施する。教育、住宅供給、福祉関係。行政がNPOにアウトソーシングしていたりする。
6.POLICY INNOVATOR
今までにない新たな方法、解決策をを行政に提案することで事業を得る。一般的にはその課題を従来のやり方より、より効果的で低コストでやらないといけない。
7.BENEFICIARY BROKER
よりよいサービスを提供することで、ほかの競争者(特に行政が支援していたり、行政が設立している)に勝つことで収益を得る。受益者はそのNPOや競争者などを自由に選ぶ権利がある。バウチャーなど。
8.RESOURCE RECYCLER
モノを個人や企業から提供してもらい、それを買えない人たちに配給する。寄付は企業、個人、行政などから。しかし、お金は別に集めないといけない。フードバンクなど。
9.MARKET MAKER
サービスを購入するお金はあるが、それを法的にNPOが購入できない。例えば、臓器提供のニーズはあるが、販売すると違法である。NPOは関連する活動分野で直接寄付を得たり、フィーを得る。健康、障害、環境などで。
10.LOCAL NATIONALIZER
どんな課題であれ、その地域が大事だと考える社会的課題に対して、その地域ごとにファンディングしてもらうというモデル。例えば、Teach for Americaなど。26の地域に担当者がおり、全体の75%を集めている。