NGOのモバイル行動主義の勃興
ネットは何もパソコンだけではありません。ここに来て、急激に伸びてきたのがモバイルです。
Wireless Technology for Social Change
実はこれずーーーと紹介したいと思いつつ今日に至ってしまったのですが、2008年4月下旬にUN Foundationという財団(創設者はCNNのテッドターナー氏)からWireless Technology for Social Change:Trends in NGO Mobile Useという興奮せずにはいられない素敵な報告書が公開されました。
タイトルだけ訳しておきます。「社会変革のためのワイヤレステクノロジー:NGOにおけるモバイルの利用の傾向」とのことです。
では、ざっくりと内容をレビューしておきます。
- 2007年12月10から2008年1月13日に調査した。
- NGOで働く560名から回答を得た。
- 86%のスタッフが仕事でモバイルを使っている。
- そのうちの99%の人たちが実際に仕事で役立っていると思っている。
- 調査報告書ではモバイルテクノロジーを「革命的」だと位置付け、もうモバイルなしでは仕事にならないと結論付けている。
- モバイルはアジアやアフリカなどの電線などのインフラが整っていない国で多く使われている。
- 最も使われている機能は電話、その次がテキストメッセージ。しかし、ビデオや写真、在庫管理、マッピングなどにもどんどん使われだしている。
- NPOのスタッフはモバイルデバイスについて「モバイルは時間を節約できるし、データをより簡単に正確に、そしていろんな人に届けることができる」とのこと。
報告書では11個の団体の実際の利用事例も紹介されているので、そちらもご参照ください。
日本でもモバイルの勢いは衰えない。
iPhoneの話がしたいわけではありません。日本でもNPOにおけるモバイルの利用は今後も伸びていくこと間違いなしです。いくつか視点を提示しておきます。
- 介護保険や障害者自立支援法の事業を行うNPO。ヘルパーと事務所の連絡に携帯を。スケジュールの共有もネットでできるかも。
- 育児をするお母さんの情報共有の場として。パソコンなんか忙しすぎてわざわざ開いてられない。
- ボランティア、スタッフ、理事、お客さんが携帯SNSで意見交換できる。
こんなところでしょうか。僕の感覚からすると、NPO業界でも事業内容によってはパソコンよりも携帯などのモバイルがすごく役立つ業態というのが存在すると思います。今後はこういったデバイスはもっと増えていくでしょうから、ご自信のNPOでもうまく活用を考えていきたいところですね。