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NPOやソーシャルビジネスの創業・経営・マネジメント

某CMSのプラグインでコケる

いま、いじってる某CMSのサイトで微妙なトラブル発生。あるプラグインの中で正規表現を使って、半角英数字以外をはじくように書かれている。こんなやつです。

preg_match("/^[a-zA-Z0-9]+$/", $str)

これはええねんけど、使われている場所が大問題。ユーザの名前を記入するお問い合わせフォームで使われている。さらにそのサイトは英語のサイトなので名前もアルファベットで記入しないといけない。加えて、名前の記入は必須。

だから、ぼくがその欄に「Arata Kojima」と書こうものなら、確認ページでエラー出ちゃうんですよ。半角スペースがあるから。いやいや、名前をフルネームで書こうとしたら、全員弾かれるやん。

それもエラーメッセージは、「2バイト文字は受け付けないよ!」だけ。いや、そのエラーだと、ほとんどのユーザにとっては意味わかんないから。

このプラグインは開発者の方が個人的に作って、公開していたもののようなので、こういうエラーが起こっても仕方がないとは思います。でも、ぼくがこのエラーを発見したのは、すでに商用として納品されたあとのサイトの中でなんです。たぶん、そのサイトを作った制作会社はダミーテキストを入れてテストすることなく、納品したんだろうな、と。

プラグインは便利だけど、やっぱ動作確認はするべきだという当たり前の結論に至るわけですけど、この数年間にクライアントが逃したお問い合わせは結構な数かもしれないなと思うと、罪だなーと思うわけです。

アメリカ・ポートランド市のつくりかた

アメリカのポートランド市のまちづくりに神戸は習うべきではないか、という意見をちらほら耳にします。ぼくも神戸はどこのまちをマイルストーンとして設定するべきかにはすごく関心があり、ポートランドのまちづくりをちょっと調べてみました。

これができればポートランドになれる!というわけではありませんが、思考の整理にどうぞ。

都市政策

  • 都市成長境界線
  • ポートランド開発委員会 再開発地区の選定と資産価値向上・潤沢な財源
  • アメリカのほかの都市に比べて、1ブロックの長さが短いなどの都市計画
  • 路面電車 ストリートカー・ライトレール(運営はTRIMET) ダウンタウン内は部分的に無料
  • 自転車利用のための整備 駐輪場・専用道
  • パイオニアコートハウススクエアの建設
  • ファーマーズマーケットの運営、都市型農業の推進

住民参加の仕組みづくり

  • コミッション制度 市長と4人のコミッショナーが市議会を運営
  • コミュニティバジェティング 住民とともに予算編成・タウンミーティング
  • ワークショップ・市民会議・公聴会などは夕方以降に実施
  • 若者・移民・チャレンジャー・高齢者・障がい者などをインクルードする
  • 情報公開を徹底
  • シティリペア 交差点などで交流できる拠点づくり
  • ネイバーフッドアソシエーション 自治会が情報を市民に行き渡らせる・開発などの地域に関することの意見を出せる
  • NPOビジョンアクションネットワーク 公共サービスの担い手育成

経済政策

  • ポートランド開発委員会 クリーンテクノロジークラスター戦略
  • シリコンウエハーの生産が強い、インテルの工場あり
  • 観光協会などで自然体験キャンペーン
  • 大手企業の進出や自転車のオーダーメイドショップなどが多数あり

 知的財産

  • ポートランド州立大学との協働推進、キャップストーンの実施 学外ボランティア体験

神戸とポートランドが似ているのは、どちらも行政がかなり積極的に舵取りをしたというところかもしれません。ただ、神戸は阪神淡路大震災でその方向修正を余儀なくされた。

では、今からなにをするべきなのかは、主体ごとに変わってきそうですね(当たり前ですけど)。

東京オリンピックのNPOなどのソーシャルセクターに対する影響

2020年のオリンピックが東京で決まりましたね。東京でやることの是非はいろいろとあると思いますが、とりあえずソーシャルセクターで働く人間としては、東京オリンピックがソーシャルセクターにどんな影響を与えるのか、また僕たちが想定しておくべきことはなにかを考えておく必要があると思います。

ソーシャルセクターと一口に言っても非常に広いわけで、本来はそれぞれの分野ごとに専門家を交えて検討しておくべきことだとは思いますが、とりあえず思いついたところをざっと書き出しておきます。

ただ、東京オリンピックで最も注目すべき点は、どれだけ地方に波及するのか、です。もしかすると、東京だけで完結してしまい、地方は何も恩恵がなく、むしろ東京に全部持って行かれたということも十分にあり得ます。

スポーツ

  • パラリンピックが実施されることで、障がい者に関する施策は増えるだろうか。それとも、障がい者スポーツの振興に流れていき、就労支援は減少するなど、予算枠は大きく変わらないだろうか。
  • 全国的にも教育におけるスポーツ振興には力が入るだろう。総額が増えなければ、削られるのは生涯学習などだろうか。

まちづくり

  • とにかく東京のまちづくりは、ハードもソフトも大きく動くはず。NPOも活躍の場面は増えるだろう。災害救援、バリアフリー、インバウンド観光などが大きなところ。関連して、自治会などの地縁団体による生活安全も強化されるか。
  • オーバーステイの外国人やホームレスには厳しい状況になる可能性が高い。
  • 自然エネルギー、緑化、CO2削減などのグリーンには注目しておく。
  • 医療通訳などにもスポットがあたるかもしれない。ただ、日韓ワールドカップのときは、それほど注目されていなかったような…(詳しいひと、教えてください)。メディカルツーリズムまでは波及しないか。

地方への波及

  • 実質的に会場が東京都内のみで実施されるわけで、訪日外国人は地方都市に観光に行くだろうか。京都、大阪、名古屋はあり得る?
  • 東京に投資が集中する。少なくとも地方都市にとってはプラスにならない。

ファンドレイジング

  • オリンピックイヤーの前年あたりにはファンドレイジングが厳しくなるかも。国内問題、特にスポーツ周りに寄付が集中する可能性があり、一般テーマは難しくなる。

あたりかなーとざっと書き出してみました。

うちの高齢者の介護付き付き添い旅行であれば、1964年の東京オリンピックを観戦したことがあり、元気なうちにもう一度観に行きたい!という案件は十分にあり得るだろうな。それ以前に、まずは会場の車いす席などや宿泊施設のバリアフリールームを増やしてほしいので、そのあたりは動けることもあるかもしれません。

書き忘れていましたが、パラリンピックは必ず注目されるわけで、福祉関係者はここで何をするのかが問われますね。