ものすごい出遅れ感はありますが、Googleストリートビューすごいですね。もちろん、技術的な関心、Googleの狙い、プライバシーの問題いろいろあります。でも、ただ1点決定的なこと、それはバリアフリー旅行にとってはまさに革命だということです。
バリアフリー旅行の難しさ
僕が所属するNPO法人しゃらくはここで書いているとIT系の中間支援組織に見えてしまいますが、本来はシニアやシルバーの旅行のお手伝いを中核としています。体が悪くて一人では旅行が難しい方々のお手伝いをしているということです。
さて、シルバーや、もしくは障害者などが旅行をするにあたって1つ大きな課題があります。それが、バリアフリー情報の有無です。
例えば、車椅子に乗る人の場合、どの道を通れるか、どのホテルに泊まれるのか、お店にはそれだけの通路の幅があるのか、など旅程を立てる上でさまざまな要素を検討しないといけません。
僕たちもそのサポートを担うべく、NPO法人しゃらく::のじぎく兵庫大会バリアフリーマップを制作したことがあります。バリアフリーマップとは、身体に障害を持つ人たちの旅行や移動に役立つ情報をまとめた地図みたいなものです。バリアフリーマップをGoogle Mapで。というエントリーで取り上げたこともあります。
ただ、バリアフリーマップには大きく2つの課題があります。
- バリアフリーマップは実際の街や建物の情報を扱うため、その鮮度を如何にして保ち続けられるか。
- 情報の更新にかかる諸費用をどのように負担するのか。
というあたりかと思います。先ほど紹介した僕らのバリアフリーマップも残念ながら現在は更新していません。制作自体は財団法人 木口ひょうご地域振興財団から助成金を得られたのですが、そのあとの経費を賄えるような方法が見つからないのです。
Googleストリートビューが世界を変える
でも、上記の課題をGoogleストリートビューが解決する可能性が出てきました。
だって、その街の情報をその場にいなくても、視覚的に3Dで把握することができ、場合によっては時間をかけて集めたバリアフリー情報よりもわかりやすい情報を手に入れることができるようになるのです。それも無料。これは革命的です。
実際、うちのスタッフも旅行場所によっては事前情報の1つとしてストリートビューで確認するようになっています。もちろん、情報としてはまだまだ足りないですから、あくまで自分たちが調べた情報の補完なのですけど。
Googleストリートビューは日本ではまだ都市圏だけですし、情報も不十分かもしれません(道や建物は分かるけれど、建物内部が分かるわけでもない)。
しかし、世界観を提示しています。それは身体が不自由でも、ネットで情報を集め、その場所に行けるかどうかを判断できるという方法です。そのプロトタイプを世の中に見せつけたのがGoogleストリートビューなのです。