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NPOやソーシャルビジネスの創業・経営・マネジメント

NPOが助成金を獲得するためのちょっとしたアイディア

もう既に6時な訳だけど。相変わらず、仕事は終わってやしない。今、やっているのは県庁に提出する文書の作成。期限は本日金曜日のお昼12時。何とかギリギリで間に合うラインだろうなと思う。


ページ数にして、50ページという大作。一体、こんな文章量、誰が読むんだろうという疑問もなきにしもあらず。そのまま概要だけちょこっと触られて、そのままキレイなファイルの中に整頓されちゃうんじゃないだろうかとも思ってしまう。


ただ、50ページというのはこちらの誠意を見せるとか、そういった邪な理由でそういうふうになったわけではない。純粋に県庁の指示を経て、文書を作成していったら、こんなページ数になってしまっただけのこと。


と、ここまで頭でグルグル考えながら、フッと思ったことがある。これって、そのまま財団や社会福祉協議会の助成金を獲得するための1つのノウハウなんじゃないの、と。


昨日、ブログで書いたように、今回の書類は元々、本日金曜が最終期限であるわけだけど、あえてその前日(木曜日)に持っていった。もちろん、その時に「自分たちの中では」完成したということもあるからだ。で、そこの県庁の職員さんに、「このへん、もう少し変えたほうがよいよ」と言われたので、結局そのしわ寄せが僕や他のスタッフに来ている訳だ。


見方を変えてみる。もし、昨日に書類を一度も県庁に持っていかずに、今日持っていったらどうだったのだろうか。たぶん、その場で提出完了とはなるのだろうけど、「県庁お好みの」書類にはなっていなかったはず。なぜかというと、一度も県庁の担当者と話す機会がないため、どういった書類がベストなのか、要は「県庁お好みの書類」についての情報を何も得ていないまま、申請してしまうからだ。その結果、申請は通る可能性が低くなる。僕達は偶然にも前日に持っていたことによって、「県庁お好みの」文書のスタイルという強力な情報を手に入れることができたわけだ。


さて、ここまで紐解いた後、もう一度助成金をくれる財団や社協について話を戻す。


通常、NPOが財団や社協に助成金応募の書類を提出する時は、郵便で資料を請求したり、ホームページからその申請書類をダウンロードして、書き終えて、該当団体に送付するのが一般的な方法だ。最近、僕達もある財団に助成金の申請を行ったが、全く上記の方法通りだった。この間、団体の担当者との接触は一切ない。


でも、今思えば、各財団や社協により「お好みの」文書のスタイルは違うはず。助成金を提出する時は、その団体とのやり取りは一切行われず、そのまま書類を提出してしまうことが多い。でも、もし各団体の「お好みの」スタイルを事前に知ることができれば、強力な武器となり得る。


そうすると、もしその財団や社協が近くにあれば、一度書き上げた書類を直接持っていき、「こんな書き方したねんけど、どうやろ?見直すところない?」と聞いておけば、「お好みの」スタイルについての情報を知りえることができるかもしれない。そうすると、その申請が通る可能性はかなり高くなるのではないだろうか。


この「お好みの」文書のスタイルについてだが、例えば勘定科目をどういうふうに設定するのかとか、何ページくらいオーバーしていいのか、そういった細かいこと、もしくは選考基準となり得るキーワードの場合もあるだろう。


まあ、何にせよ、助成金を申請する場合は、単に書類を送付するだけではなく、その団体の担当者と直接会い、何らかの情報を引っ張り出すというテクニックも必要なんじゃないかなと思うわけだ。