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NPOやソーシャルビジネスの創業・経営・マネジメント

ムハマド・ユヌス自伝/ムハマド・ユヌス

 

開発援助について

・貧しい人々が金貸しの囚われの身から自由にならない限り、どのような経済プログラムも貧しい人々を社会的な孤立から救い出すことは不可能だろう。

・ますます多くの国際コンサルタントが、海外援助ビジネスから毎日相当の売り上げを得るようになっている。資金を提供する側の決定を、より強く人々の印象に残る形でアピールする技能を持った人間ほど、最高のコンサルタントだと言われている。再び確実に雇ってもらえるように、決められた枠組みの中で動き回っているに過ぎない。
・コンサルタントが資金受取り国にもたらす弊害は、受け取り国の人が自分の国について考えたり、国家を導こうとする意欲を麻痺させてしまう。
・あなたが資金提供国の役人で出世したいのであれば、最も高い値がつくプロジェクトを契約まで持っていけばよい。そのためには、資金受取り国の官僚や政治かを買収する。政府高官が新しく所有する家を高額の賃料で借りるなどはありふれた事例だ。
・バングラデシュが外国から受けた資金援助は過去26年間で300億ドル以上になる。その75%は現金でバングラデシュで届いていない。機械や必需品など、それ以外にも専門家やコンサルタントの支払いに使われていた。残りの25%はバングラデシュに届き、地方の製造業者やコンサル、専門家に払われている。
・開発援助は、開発援助を受けている国々の人口の底辺から50%にあたる貧しい人々の経済的地位が改善されることを意味するべきだ。その資本投入額に対する実質所得の伸びで計測されるべき。
・海外からの資金援助で最新の灌漑技術に投資した。だが、農業経営という人間中心の問題を解決するために、時間や手段、努力といったものを投じる人間は誰もいなかった。
・開発援助で本当に貧しい人々と少しはましな人々を一緒に対照にしてしまうと、少しましな人たちが本当に貧しい人達を駆除してしまう。
 
貧困、マイクロクレジット
・飢えや貧困の問題は男性よりも女性の問題だ。
・女性を通じて家計にお金を行き渡らせたほうが家族の利益になりやすい。
・マイクロクレジットは貧困を緩和するだけではなく、人々を社会的に融合するための道具になった。
 
プログラムの進め方
・女性が私たちのプログラムに興味を持ってくれるようになるまで、私たちは自ら女性の借り手を探さなければならなかった。
・グラミンはどこか新しい場所で活動を開始するときは急いでせずに、対立しないようにゆっくりと活動を広めていった。
・他の国でグラミン式を実施するということは、異なる文化的背景において、本質的な特徴を模写するということだ。
ムハマド・ユヌス自伝―貧困なき世界をめざす銀行家

ムハマド・ユヌス自伝―貧困なき世界をめざす銀行家

  • 作者: ムハマドユヌス,アランジョリ,Muhammad Yunus,Alan Jolis,猪熊弘子
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1998/10
  • メディア: 単行本
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「社会調査の」ウソ/谷岡一郎

 リサーチ・デザインとは、何を知りたいかを明確にするプロセス。通常は、1.時期・回数、2.データ収集方法、

3.質問票、4.サンプル抽出、5.分析の手順。
その他、社会調査の事例を取り上げながら、なにがダメでなにがよいのかは参考になる。
「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書)

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社会起業家/町田洋次

 ・社会起業家は90年代後半にDEMOSが提唱した

・シンクタンクは、学者並みの分析力、ジャーナリストのような伝達力、ビジネスマンの提案力、儲けるための起業家精神が必要
・DEMOSの事例の多くは、背景に移民が増え、貧困家庭が犯罪などの社会問題を起こすなどの背景があるようだ
・アメリカはグラスルーツリーダーという社会起業家に近い概念があり、ひとつの都市が古い産業の衰退を業態転換させ、都市を復興させるというもの
社会起業家―「よい社会」をつくる人たち (PHP新書)

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