IT化が遅れているNPOに対して企業はどんなことができるのでしょうか。少なくとも、自社プロダクトを安く提供するだけではないはずです。
プロダクトを使いこなせるか。
この記事を書くきっかけとなったのはこのニュース。ソーシャルグループウェア、「iQube NPO IT 支援プログラム」を開始 - japan.internet.com Webビジネス。内容を単純に書き出すと、企業向けに販売するグループウェアをNPO向けに30%引きで提供するとのこと。
評価すべき点は、このような取り組みに企業が徐々に積極的になっていることです(NPOとしてはプロダクトよりも資金をくれというのが本音かもしれませんが)。
NPOによってはITをバリバリ推進するところもあれば、このニュースのようにIT化が遅れている団体もあります。ソーシャルグループウェア社は後者にIT支援を行うということなのだと思います。
ただ、気になる点はこのニュースを発見し、応募しようとする団体がどれくらいいるのだろうか、ということです。IT化が遅れている理由はリソースの不足(人的、資金的など)ということもあるのですが、一方でスタッフやボランティアのリテラシー不足ということもあるのです。
その時はこのニュースにも気付かないでしょうし、読んでも「どのように活用すべきなのか」が分からず利用してみようとは思わないでしょう。
企業の強みはその活用力にある。
企業や公益法人、NPO法人などさまざまなセクターに対してWebサイト制作やセミナーの開催を通じて実感することは、ITに対する企業の強みはどのようにITを活用すればよいのかをしっかりと検討しているという点にあります。非営利セクターはそのような意識が企業に比べ弱いのです。
そのため、ソーシャルグループウェア社にやってほしいのはNPOとface to faceで相談に乗ったりしてほしいと思います。それを通じてNPOのニーズが分かれば、何も値段を下げて提供する必要もないでしょう。普通に売れる商品になるはずなのです。