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NPOやソーシャルビジネスの創業・経営・マネジメント

Hotmailを使って社会貢献

件名を読んだだけでは「うん?」という疑問が沸くかもしれませんが、詳細はMicrosoftのi’m MAKING A DIFFERENCEを参考にしてください。

仕組み


TechCrunch Japanese アーカイブ ≫ Hotmailを使ってより良い世界へを参考にすると、どうやらこういうことのようです。
HotmailとMessengerで生じた収益の一部を、社会問題を扱う10の価値ある団体のいずれかに寄付する。

というわけでして、Microsoftの主力製品であるHotmailやMessengerの収益源を1つの寄付として使うというのはなかなか勇気のあることです。ただ、この狙いは単に慈善精神ではなく、
Microsoftはこのキャンペーンによって、Live SearchHotmail等、Windows Liveのサービス全体の利用増を見込むとともに、メッセンジャーを新たに2千万件ダウンロードしてもらえると考えている。

キャンペーンという位置づけにより販促活動を狙うようですね。

コーズマーケティングの一環か


これは一種のコーズマーケティングだと考えた方がよさそうです。コーズマーケティングとは、exBuzzwords用語解説によると、
コーズマーケティングとは、社会や環境に貢献することをアピールするマーケティング活動のこと。
ソーシャルマーケティングと意味合いは似ているが、コーズマーケティングは、結果としての利益獲得を目的にしている点が異なる。
コーズリレーテッドマーケティング、社会問題解決型マーケティングとも呼ばれる。

とのこと。要はMicrosoftとしてはこのやり方によって注目を集め、さらに利用者を拡大したいという思惑があるようです。

もちろん、社会貢献をするのならもっと正攻法で!という意見もありそうですが、僕はそうは思いません。企業が善意による社会貢献に取り組んだとしても、大抵は長続きしません。企業は利益を上げることがその存在意義であり、社会貢献をするのが目的ではないからです。

それよりも、このようなやり方で非営利セクターに寄付が集まる方がよりよいのではないかと思います。

ただ、1点だけ思ったこと。Microsoftの立場に立てば、寄付する団体をもっとじっくりとえり好みしてもよかったのではないかと思います。僕も海外のNPOには詳しくないのですが、どうやら「有名団体」が並んでいるよう。たぶん、HotmailやMessengerを使う人にとって「知っていて、信頼性がある団体」というのを基準にしたんでしょう。

ここで、できることならMicrosoftと将来的なパートナーになり得る団体を選んでもよかったのではないでしょうか。例えば、地域のパソコンのお手伝いをする団体やITを使った教育をする団体など。そういった団体に寄付がまわることにより、将来的にもMicrosoftとの協力関係を築いていけるのではないかと思います。