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バリアフリーマップをGoogle Mapで。

バリアフリー情報の発信形態


車椅子ユーザや視覚障がい者の人にとってバリアフリー情報は非常に貴重なものです。その情報があることによって、いろんな地方を旅行したり、移動したりするのが簡単になります。

もちろん、これはシルバーなどの加齢によって身体機能が衰えた人にとっても同じことが言えます。

今までたくさんのバリアフリー情報がいろんなメディアで発信されてきました。書籍や雑誌などに加え、インターネットもその1つです。バリアフリー情報は本当に必要としている人たちが能動的に集めることを考えると、インターネットは相性のよいメディアといえるかもしれません。

また、インターネットで情報を発信するといっても、その表現の方法は様々です。日記もあれば、地図もありますし、雑誌のようなものをPDF形式で配布したりするものもあります。この情報の形態によってその使いやすさが変わりますし、検索性も変わるでしょう。

バリアフリー情報をGoogle Mapで発信する。


僕が所属するNPO法人しゃらくでもちょうど2年位前にバリアフリーマップを作り、インターネットで発信したことがあります。のじぎく兵庫大会バリアフリーマップというものです。

これはGoogle Map APIという特殊なプログラムを用いて作っています。情報がピンで立てられていることにより、どこのどんなバリアフリー情報を扱っているのかが一目で分かり、また地域別に情報を分けることも可能です。

当時、これを担当した僕は「こんな使い方でGoogle Maps APIを使うのはうちだけだろうな」と思っていたのですが、ほかにも同じような方法を使っている団体がありました。

静岡市ユニバーサルデザインマップです。こちらもGoogle Maps APIを使ってバリアフリー情報を発信しています。

従来のバリアフリーマップでは情報の視認性が弱く、どこの情報を扱っているのかが分かりにくい、また地図を制作する費用などの問題がありました。それをGoogle Maps APIを使えば、無料で(使うこと自体は)解決することができます。

視覚障害の人たちにとっても使いやすくする。


この2つのマップはGoogle Maps APIを使っている以外にも、共通点があります。それは視覚障がい者の人たちに配慮して作っているという点です。

全盲の視覚障がい者の人たちは主にスクリーンリーダーというパソコンの画面を音声で読み上げるソフトを用いています。ただ、Google Mapは通常スクリーンリーダーでは読み上げられないのです。これではバリアフリーマップなのに、視覚障がい者の人たちが情報を取得できないという問題が出てきています。

その解決方法が、同じバリアフリー情報をGoogle Map以外にもテキストとして提供するというものです。僕たちのマップであれば、のじぎく兵庫大会バリアフリーマップ::テキスト版というページに、また静岡市のサイトでは、事業所一覧というページにあります。これならば、スクリーンリーダーでも情報を取得することができるようになります。

これから日本が超高齢化社会に向かう上で、こういったバリアフリーマップの必要性は変わらずにあるわけなので、こういったマップでどのように情報を表示すれば使い勝手が向上するのかはいろいろと試行錯誤してもよいのかもしれません。