Trans

NPOやソーシャルビジネスの創業・経営・マネジメント

東京オリンピックのNPOなどのソーシャルセクターに対する影響

2020年のオリンピックが東京で決まりましたね。東京でやることの是非はいろいろとあると思いますが、とりあえずソーシャルセクターで働く人間としては、東京オリンピックがソーシャルセクターにどんな影響を与えるのか、また僕たちが想定しておくべきことはなにかを考えておく必要があると思います。

ソーシャルセクターと一口に言っても非常に広いわけで、本来はそれぞれの分野ごとに専門家を交えて検討しておくべきことだとは思いますが、とりあえず思いついたところをざっと書き出しておきます。

ただ、東京オリンピックで最も注目すべき点は、どれだけ地方に波及するのか、です。もしかすると、東京だけで完結してしまい、地方は何も恩恵がなく、むしろ東京に全部持って行かれたということも十分にあり得ます。

スポーツ

  • パラリンピックが実施されることで、障がい者に関する施策は増えるだろうか。それとも、障がい者スポーツの振興に流れていき、就労支援は減少するなど、予算枠は大きく変わらないだろうか。
  • 全国的にも教育におけるスポーツ振興には力が入るだろう。総額が増えなければ、削られるのは生涯学習などだろうか。

まちづくり

  • とにかく東京のまちづくりは、ハードもソフトも大きく動くはず。NPOも活躍の場面は増えるだろう。災害救援、バリアフリー、インバウンド観光などが大きなところ。関連して、自治会などの地縁団体による生活安全も強化されるか。
  • オーバーステイの外国人やホームレスには厳しい状況になる可能性が高い。
  • 自然エネルギー、緑化、CO2削減などのグリーンには注目しておく。
  • 医療通訳などにもスポットがあたるかもしれない。ただ、日韓ワールドカップのときは、それほど注目されていなかったような…(詳しいひと、教えてください)。メディカルツーリズムまでは波及しないか。

地方への波及

  • 実質的に会場が東京都内のみで実施されるわけで、訪日外国人は地方都市に観光に行くだろうか。京都、大阪、名古屋はあり得る?
  • 東京に投資が集中する。少なくとも地方都市にとってはプラスにならない。

ファンドレイジング

  • オリンピックイヤーの前年あたりにはファンドレイジングが厳しくなるかも。国内問題、特にスポーツ周りに寄付が集中する可能性があり、一般テーマは難しくなる。

あたりかなーとざっと書き出してみました。

うちの高齢者の介護付き付き添い旅行であれば、1964年の東京オリンピックを観戦したことがあり、元気なうちにもう一度観に行きたい!という案件は十分にあり得るだろうな。それ以前に、まずは会場の車いす席などや宿泊施設のバリアフリールームを増やしてほしいので、そのあたりは動けることもあるかもしれません。

書き忘れていましたが、パラリンピックは必ず注目されるわけで、福祉関係者はここで何をするのかが問われますね。