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NPOやソーシャルビジネスの創業・経営・マネジメント

中小NPOのコーズマーケティング

コーズマーケティングは大きなNPOしかできない?いや、そんなことはありません。必要なのは発想の転換です。

中小NPOはコーズマーケティングなんて夢のまた夢?


コーズマーケティングについては以前Hotmailを使って社会貢献で取り上げました。社会貢献を看板に企業が主にブランディングを目的に行うマーケティング手法のことです。

さて、この際も少し触れましたが、こういったコーズマーケティングにはNPOとの協力が非常に重要になります。その協力相手というのはやはり大きなNPOだけでしょうか。中小のNPOでは難しいのでしょうか。

その疑問に見事に答えてくれているのが、Cause Marketing for the Rest of Usというエントリー。簡単に紹介すると、


  • コーズマーケティングにはしっかりとした強固なチーム力が必要かもしれない。君の団体にはそんなチームはないかもしれない。中小のNPOなら大体少人数のスタッフがいろんな業務を持ち回りしているものだ。でも、それなら幅広い視野を持って、企業セクターとどんなところで協働できるか探せるじゃないか。

  • コーズマーケティングは大きなお金をファンドレイズするものだ。別に君の団体がそんなに多額なお金を集めようとしなくていい。金額云々よりも、企業セクターやメディアとのパイプを強くすることはできる。

  • コーズマーケティングは社会責任やブランディングを扱うものであって、君のNPOには関係ないかもしれない。でも、中小のNPOはビジネスモデルがシンプルであり、その分野に特化して長い時間を掛けて取り組めばよい。その中から大きくなるものを育てればよいじゃないか。


というような内容です

企業や団体協賛はコーズマーケティングの第一歩


最近、あるNPOさんがキャンペーンという大規模なものではなく、社会的な提言を持って活動を展開したいという相談に来られました。その中で、企業の協賛をもらえばいいじゃないかという話になり、よくよく聞いてみると「全ての企業にとって役立つような活動ではないが、一定の事業範囲を持った企業には非常に利益がある活動」だと感じました。

その時に提案したのが「コーズマーケティングの概念」です。単なる協賛ではなく、もっと広く、深く協力できるように提案しましょうよ、と伝えました。その団体さんはコーズマーケティングというものを全く知らなかったので、非常に興味深く、且つ共感してくれました。

でも、このNPOさんに限らず、イベントやプロジェクトを開催するときに企業や団体の協賛というのを得ることは多いと思います。その協賛というのは企業や団体側からすると何かしら共感できたり、利益があったりするから許可するわけですよね(もちろん、単に手続き済ませればOKというところも多いですが)。

そういうのを考えると協賛をお願いするときに、一歩立ち止まって、「コーズマーケティング的に何か協力したりできないかな」なんていう発想があってもよいような気がするのです。