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NPOやソーシャルビジネスの創業・経営・マネジメント

NPOのWebサイトの最優先の改善ポイント

NPOのWebサイトの最優先の改善ポイントは何なのか?僕ならstorytellingだと言い切ります。

NGOのマーケティングを強化する


つい先日NPOのファンドレイジングを考えるブログで関西NGO協議会から『NGOが実践できる、マーケティング思考に基づく広報・PR』(PDF)という報告書が出されたことを知りました。

報告書はさまざまなNGOのマーケティングを専門家と共に見直し、改善するケーススタディ集となっています。久しぶり、いやもしかすると日本語のリソースをこのブログで紹介するのは初めてかもしれません。なんにせよお時間ある方は一読してみてください。さまざまな事例が掲載されていますので、ご自身の団体にとっても役立つこと間違いありません。

報告書の中でよく取り上げられているのがWebサイトのこと。NGONPOにとってWebサイトは死活的に重要だということは当ブログでもたびたび取り上げています。

さて、ちょっとここで海外に目を移してみます。

先日、We Are Media ≫ Strategy Track Module 4というページを読んでいて、非常に興味深い考え方に出会いました。それが「storytelling」。日本語に訳すと物語ですね。これこそが、NGONPOのWebサイトにとって最重要な要素であり、すぐにでも改善すべき内容だと思うようになりました。

僕たちのストーリーを仕立てる


僕たちはなぜNPONGOにいるんでしょうか。団体によっても、人によってもその理由は様々であるはずです。ただ、何か解決したい社会的課題があって、この業界にいるのは間違いないと思います。

その理由を述べる方法がstorytellingです。事例をあげます。

児童買春問題とは | NPO法人かものはしプロジェクトが最も秀逸な事例であると思います。なぜ、かものはしがその課題に関心を抱き、どのように解決するのかが掲載されています。

そして重要なことは、単にツラツラと文章を書いているだけではなく、読み手にとって関心が湧くように、要はストーリーを仕立てて掲載しているのです。これはWebサイトというより、ドラマや映画の物語を読ませるように、です。これがstorytellingです。

こういった手法を用い、ホームページを制作しているNPONGOはまだまだ少ないといえます。しかし、この理念とや目標こそが、NPONPOである唯一の理由であるし、人の共感を得て、行動を共にできる理由です。そして、一番強く訴えないといけないところでもあります。

僕もWebサイトを制作するのが生業ですので、サイトのSEOやユーザビリティ、アクセシビリティ、デザイン、システムなどは一通りは分かっていますし、NPOのサイトの多くはいろんな箇所を改善する必要があることも感じています。それでも、NPOのWebサイトの最優先の改善箇所はこのstorytellingだと思うのです。