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神戸のNPOやソーシャルビジネスの創業・起業のお手伝い

インクルーシブデザインワークショップに行ってきたよ!

ユーザビリティ・アクセシビリティ

今後のアクセシビリティを考える上で、インクルーシブデザインは一つのキーポイントになるかもしれないと思い込み、熱くなって書いてみると、かなりgdgdな文章が出来上がりました。

インクルーシブデザインとは何ぞや?

僕が参加したインクルーシブデザインワークショップは神戸芸術工科大学で行われたもの。ただ、主催は京都大学なのでインクルーシブデザインユニット inclusive design unitのWebサイトが参考になります。

さて、僕も数ヶ月前に初めて知った言葉なのですが、このインクルーシブデザインとはあるデザインプロセスのことを言います。日英どちらもWikipediaに掲載されていないようので、ワークショップでいただいた資料から引用し、簡単にその概念を紹介しておきます。

インクルーシブデザインとは高齢者や障害者のある人など、特別なニーズを抱えた消費者をデザインプロセスの上流工程へ積極的に巻き込んでいく手法です。インクルーシブデザインの世界的研究センターを抱えるイギリスの英国国立芸術学院では、市民団体やNPOらと積極的に協創的関係を築き、特別なニーズを抱えた消費者が引け目を感じることのないよう、市場のメインストリームを占めることができるデザインへと結実する相互学習過程として期待されています。

とのこと。こう紹介すると察しがよい人はある疑問が浮かぶと思います。「ユニバーサルデザインと一体何が違うんだ?」まだ勉強中の身ながらお答えすると、「目指すところは一緒。しかしアプローチが違う」というあたりかと思います。

理論的なところを説明する前に、まずはGIGAZINE風に写真を掲載しながらワークショップ当日の様子を紹介します。

当日のインクルーシブデザインワークショップの様子


はじめて上陸しました、神戸芸術工科大学。当日の会場です。

こんな感じで会場案内の看板が立っています。最近のUD関係のイベントはこのように車椅子ユーザの行き道を案内していることが多いですね。席もあらかじめ準備されていたりします。

簡単なアイスブレイクが終わったら、早速ワークショップ開始。各グループは5名から6名で成り立っており、すべてのグループにリードユーザと呼ばれる障がい者(もしくは高齢者)が参加しています。当日の僕のグループは参加者7名の内、視覚障がい者が2名でした。

このときのお題は「遊び」。リードユーザの意見を聞きながら、障害を持った人も楽しめるような遊びのモックアップを作るというのがこのワークショップの目標。障がい者の意見を聞いて終わりというわけではなく、不完全でもモックアップを作ってしまうというのが最大の特徴。

さっき掲載した写真はそのリードユーザから意見を聞き取り、それをポストイットに書き出したもの。

こんな感じで意見をグルーピングしたり。顔写真についてはスルーの方向で(苦笑)どうでもいいんですが、笑い男のWebサービスは終了しているっぽいですね。ゆえに自分で作りました。

画質荒いですね(苦笑)携帯で取ったのが間違いでしょうか。参加者は40名くらいです。グループが6つありました。

僕のグループの成果物。音で遊べるカードゲームのモックアップ

もう一度ホワイトボード。こんなやり取りがされています。

最後に各グループがモックアップを発表して終了。9時から18時まで丸一日かかりました。

このワークショップ自体はすでに28回開催されており、過去のワークショップに参加した人たちが詳細なエントリーを書いていますので、そちらも参照してください。

ユニバーサルデザインとインクルーシブデザインの違い

ユニバーサルデザインとインクルーシブデザインの違いは主に2つの点にまとめられるかと思います。僕が説明するとそれこそgdgdになりますので、引用させていただきます。

ユニバーサルデザインは、
 障がい者からの気づきを製品に取り入れていこうとする活動
インクルーシブデザインは、
 障がい者からの気づきをヒントに新しい製品を生み出そうとする活動

イソムラ式 : ユニバーサルデザイン と インクルーシブデザイン

「”理念”は同じだが”力点”が異なる。ユニバーサルデザインは7原則を依拠とし、検証作業に力点がおかれている。インクルーシブデザインは、観察から新たな気づきを得ることに力点をおいている」

イソムラ式 : ユニバーサルデザインとインクルーシブデザインの違い その2

とこんなところ。これが一体アクセシビリティの何に関係するのか。最も重要な文章がこれだと思います。

「みんなに使いやすいものがかえって皆に使いにくいものをつくってしまう経験は枚挙に暇がない。一方、安易にすべての領域(最小公倍数に相当する部分)を足し合わせたようなデザインも美しいものではない」 出典:インクルーシブデザイン ハンドブック 

最近、さまざまな障害を持つ人たちにパソコンを教えたり、話したりする中で、当たり前の結論に達しました。「障害はその人それぞれ違うものを持っている。ゆえに、アクセシビリティも多様であるべきだ」ということ。もちろん、それでもアクセシ的に共通できることもあるとは思います。

しかし、どのように実際の制作フローに入れれば、そんな多様なニーズを取り込めるんでしょうか。アクセシビリティにもユーザビリティにも様々な手法があることは知ってはいますが、ピンとくるものが思いつきませんでした。

そんな中、インクルーシブデザインは障がい者の意見をあとから付け加えるというアプローチではなく、デザインを制作するプロセスからインクルーシブ(巻き込んでしまう)というアプローチに妥当性を感じるのです。

いや、まだまだ分からないことだらけではあります。

  • ワークショップを制作フローに入れるのは負担が大きすぎないか。
  • そもそもリードユーザから意見を聞くだけでインクルーシブしたと言えるのか(ワークショップには体験型もあることはあります)。
  • Webという分野で適用させることができるのか、など。

とりあえずかなり思いつきで書いてしまったのでこんな感じですが、僕個人としてはアクセシビリティの分野にインクルーシブデザインの手法を持ち込むということを今後追っていきたいと思っています。