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初音ミクとユーザが作るメディアマーケティング

初音ミクの面白さが分からない?それは、そもそもそのストーリー性を知らないからだと思うのです。

初音ミクとはとどのつまりストーリーである。

既に答えは自分でおっしゃっているとは思いますが。。。

初音ミクと、そしてミクの可能性を極限までひき出そうとする「初音ミク使い」たちには、何か、「萌え」とか、「オタク」とか、そういう枠をぶっちぎりで乗りこえていくものがあると思う。


それは、先端技術がエンターテインメントと出逢うところにのみ存在するあのスリル、いま何かが起こっている、何か新しいものが生まれようとしている、その興奮だ。

この言葉を言い換えると、初音ミクの流行というのはそのストーリー性なのだと思います。

僕が初音ミクにはまる過程。

最初に見た動画は覚えていませんが、3D初音ミクに01_balladeを歌わせてみた初音ミク 1st Live 「Packaged」で完全にはまりました。こりゃ、すげえと。ニコニコ動画はたまに観るくらいでしたし、「初音ミク?あー、なんかのソフトね」くらいの認識だったのが、これを見てからニコニコプレミアムに登録してしまいましたし、2時間近くつけっぱなしっていう日も珍しくなくなりました。
理由はいたって簡単で、初音ミクの成長が気になるから。
発売すぐあたりの初音ミクと今の初音ミクの劇的な成長、いや進化には本当に驚きます。はじめはどこぞの歌を歌っていただけだったのが、売り出せそうなくらいの完成度のオリジナルの曲を歌うようになり、それから3Dで動いたり、プロモみたいなものが作られたりと。その成長がイチファンとして楽しみで仕方がありません。
そういった初音ミクの成長の過程、つまりストーリーを知っているからこそ、僕には初音ミクは面白くてたまらないのです。

初音ミク亀田三兄弟の違い。

でも、このストーリー性を持たせて、何かを大きく売り出すというのはテレビや雑誌などのメディアも常にやってきたことです。最近では、亀田三兄弟は正にその典型だったと思います。
でも、初音ミクと今までのメディアが決定的に違う点はそのストーリーを作るのが誰か、ということ。今までのメディアはもちろん自分たちでストーリーを作りますが、初音ミクのストーリーはユーザが作る。発売元であるクリプトン・フューチャー・メディアは単にそのストーリーのキャストを提案したに過ぎません。そのストーリーの脚本や主題歌、共演者はニコニコ動画やブログなどを通じて、ユーザが作ってきたものです。

本当のCGM

今までは僕たちはメディアが用意したストーリーを楽しむだけだったのかもしれません(ドラマなんて正にそう)。でも、初音ミクという原石を得てからは、自分たちでストーリーを作れるようになりました。まさに、CGMだなーなんて思うのです。

既に今日の時点で、「Magic GarageBand初音ミク+自分たちで操作するオンラインゲームのキャラクターたち」、の組み合わせでかなりのものが作れてしまう。あとは、そういった技術を上手に組み合わせて一つの商品・サービスとして提供し、音楽や映像の知識がないユーザーにでも簡単に著作権フリーの面白い動画がどんどんと作れるようにすれば良いだけ。本当の勝負はパッケージングとおもてなしだ。

そうなんです、あとはこの面白さを伝えるためには、自分たちがストーリーに参加できる資格が必要。でも、今の資格に合格するのは難しすぎる。あんなイラストや動画、作曲なんてできるわけねえ!
正直、僕には初音ミクが主流なメディアに乗るかどうかは分かりません。いや、そもそも現代において「主流な」メディアっていう言葉自体がナンセンスなのかもしれませんが。