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Dave Winer氏「Twitterとは生態系である」(日本語訳)

Twitterはミニブログ、SNSなど色んな文脈で語られますが、イマイチ「これ!」といった定義が難しく思います。そして、何より「Twitterって稼ぐ気あるの?」とも思ってました。そんな時に、What Twitter is (Scripting News)が面白かったので訳しておきました。

What Twitter is

投資家(Union Square Ventures)やエンジェル起業家の皆さん、おめでとう!
私は数多くの記事やコメントを読んできて、そこにあるスレッドも見てきた。人々は疑っている、「Twitterでお金を稼ぎ出す方法はあるのか」と。彼らが今までこのブログを読んでいないのだと私は思う。
そろそろ立ち止まって、Twitterとは何なのかをレビューするにはちょうどよい頃合になったと思う。

1. Twitterとはユーザのネットワークである。

それは関係性の1つの型においたものだ。following。私はあなたをfollowすることができるし、あなたは私をfollowすることができる。もしくは、わたしはあなたをfollowすることができる、あなたはわたしをfollowしない。はたまた、あなたは私をfollowすることができるし、わたしはあなたをfollowしない。どちらもfollowしない。非常に単純なことだ。どちら一方、もしくは両方、いやどちらもしない、それだけを了承すればいいだけのことだ。この関係性にどんなラベルも必要ない。

2. Twitterとはミニブログのシステム(micro-blogging system)である。

投稿には140文字までの制限がある。ちょっとしたテキストとリンクだけで十分だ。これはすごいアイディアだ。今までそんなものは何一つなかった。もし、あなたが今年の2月より前のScripting Newsを読んだのなら、そこには部分的にミニブログについてのものがあるだろう。Scripting Newsが1997年4月に始まった時はミニブログだった。初期のWebサイト、TBLNCSANetscapeもまた、ミニブログの仕組みだった。
一方、私は日曜日のWordPressユーザのカンファレンスで話す機会があった。ここで私たちは、ミニブログについて話し合った。私は訪ねた。wordpress.com上でWordPressのサイトを作る方法は1つだけなのだろうか。それしかないだろう、と彼らは同意した。アナログ式に、もしミニブログが本物の芸術でなるためには、ミニブログを作るもっとたくさんの方法があるべきだろうし、もっとたくさんのRSSをそれらと結びつけるべきだろう。

3. 比較的にオープンなアイデンティティのシステム

以前にも言ったことがあるが、Twitterやそれに近いものは、オープンなコミュニケーションのプラットフォームになりうるかもしれない。私見ではあるけれど、力を持った企業が何とかコントロールしようとしている巨大なコミュニケーションシステムで、問題を誤った方法で協力して解決しようとするテック系のエンジニアはよくいるように思う。めちゃくちゃ簡単なインターフェース、ちょうどよい特徴、そしてシンプルなAPIがあり、コントロールしようもしないTwitterはブレークスルーを生み出すかもしれない。もしくはそれはFacebookかもしれない。ユーザの数、ユーザの増える速度、迷子にならないような簡単なAPIがその立場を握るキーになるだろう。

4. 生態系。

TwitterAPIは非常にシンプルだ。その機能は全体をカバーしており、何も抜け落ちていない。あなたはAPIを使ってTwitterのユーザインターフェースを使うこともできるだろう。これがキーポイントだ。Appleと比べてみよう。アップルは数少ないパートナーたちや自分たちで開発を担っており、それがどんな契約になっているのかも私たちは知らない、iPhoneのリッチなアプリケーションを開発する権利だってそうだ。Twitterは伝統的なPC産業のアプローチを取り、全員に平等な権利を与え、同じ水準の遊び場所を作った。その結果がどうなったとしてもだ。もしTwitterの中の人たちが事業に失敗したら、残りの私たちが自分たちとみんなのためにTwitterと同じようなものを作る挑戦ができる。
結局のところ、これは一体どういうことなのだろうか?ユーザとユーザ間の関係性、これらのアイディアは、生態系ということだ。これはたぶんいくつかの素晴らしいアプリケーションの基礎になる。これはお金を生み出すだろうか?それは疑いもない。Twitterがどうやってお金を生み出すのかって言っている人々は、テクノロジーカンパニーの役割がよりメディアやコミュニケーションシステムで重要になっていることを理解できていない。アイディアがここで生まれ、育ち、ユーザが発見し、それが顧客を生む。この方法においては、Twitterとは巨大な企業向け商品であり、Twitterを使うことによって、私たちはそれを証明する手助けをしているようなものだ。これらの顧客は電話会社かエンターテイメントのネットワークになるだろう。しかし、お金が早くなくなってしまい、Twitterの中の人がその時にちゃんとした戦術を取れば、より多くの帯域を確保し、バックエンドも固まり、より機能面も改善するためにより多くの資本を確保でき、Twitterはユーザとデベロッパーがまた多くのアプリケーションを生み出すのを、ただ黙って見ていればいいということになる。
Twitterは今興味深いサービスだ。それができる限りオープン性を維持すればするほど、私たちは彼らと一緒に多くのことを学ぶことができるだろう。

訳者より一言

要するに、Twitterっていうのはコミュニケーションのプラットフォームになり得るかもしれない。徹底的なシンプルなインターフェースと全面的に公開されているAPIが開発者の意欲を掻き立て、ユーザを巻き込み、顧客をどんどん増やしていく。そんな感じかと。
既にそれは僕らも体験しているはずです。Twitter経由のオフ会、勉強会、各種Greasemonkeyからソフトウェアまで。僕はtwitを使わせてもらっていますが、正直このソフトウェアがなければ、Twitterに常駐するなんてことはなかったと思います。
そんなわけで、TwitterはミニブログとかSNSとかの文脈で語られることは多いですが、その視点だけで見てしまうと、Twitterの本質を捉えられないのではないかと思いました。訳文が下手なのはごめんなさい。精進します。