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あなたのサイトの「お問い合わせ」、本当にクリックされていますか?

少し前に、僕が制作しているサイトのユーザビリティテストを行いました。その結果、サイト右上に配置している「お問い合わせ」が全くクリックされないことが分かりました。その理由と解決策を考えてみます。


ユーザビリティテストの概要


ユーザビリティテストとは何ぞや?ということは解説しませんが、ざっくりと今回のテストの概要を書き記しておきます。

対象サイト

あるシニア向けの地方公共団体

被験者

5名。50代女性2名、30代男性2名、20代男性1名(全員5年以上のインターネット利用歴がある)

タスクの概要

団体の活動内容、被験者が登録する手順、連絡先を調べるなど。


お問い合わせがクリックされねえ!


タスクの概要を見てもらえれば分かるように、制作している僕としては連絡先を調べてもらうにあたって、「お問い合わせ」をクリックしてほしかったのです。Webデザインではよく使われている、右上あたりに「お問い合わせ」と「サイトマップ」が並んでいるデザインです。その部分は下記の画像。

しかし、テストを実施してみると、被験者のうちクリックしたのは1人だけ。なんで、こんなにもクリックされなかったのでしょうか。


2人はその存在に気付かない、もう2人はメールソフトが開くと勘違い。


まず、上記被験者のうちの2人、どちらも50代の女性はそもそもこの場所に「お問い合わせ」があることに気が付きませんでした。これは、使いやすさを考えてみる。(アクティブシニア・シルバー層の現場から)の森さんがときどき言っている「シニア特有の視野の狭さ」という問題に置き換えられると思います(50代をシニアと読んでいいのかは別として)。


ちなみに、この2人は連絡先を探すにあたって、グローバルナビゲーションの「センターについて」をクリックしました。もちろん、そのリンク先にも連絡先を併記しているので、まあ問題はないか、と。


30代の2人は右上の「お問い合わせ」には気付いていましたが、あえてクリックしませんでした。その理由は「クリックすると、メールソフトが起動すると思ったから」というもの。

<a href="mailto:contact@hogehoge.com">

とかって書いているときになってしまうアレですね。で、どちらの2人もここでメールソフトを開かせるのは嫌だと思い、そこをクリックしなかったとのことです。たぶん、ほかのサイトをブラウジングしているときにその経験を何度もしたんだと思います。僕もほかのサイトで右上のお問い合わせをクリックする際には、必ずといっていいほどリンク先のURLを確認してからクリックするようにしています。


分かりやすいデザインと別の到達ルートを用意する。


これらの問題の解決策は何通りか考えられると思います。その候補。

  • 右上の「お問い合わせ」にアイコンなどをくっ付けることにより、視覚的に目立つようにする。
  • 「お問い合わせ」のページに違う場所からもたどり着けるようにする。
  • 全ページのフッターやローカルナビゲーションに連絡先を書いておく。

もちろん、これらは併用してもいいし、デザインや要件とのバランスを見ながら考えていくことになろうかと思います。


ユーザビリティテストをやれば、必ずといっていいほど僕らが想定もしなかったような使い方をユーザがすることとは思います。もちろん、ビジュアルデザインやSEOも大事なのですが、ユーザがサイト内で目的を簡単に実行できることもやはり大事です。そのためには、ユーザビリティテストもやってみる価値はあるんじゃないでしょうか。


ただ、ユーザーテストをやることがユーザビリティだと思ったら大間違い:DESIGN IT! w/LOVEとあるようにあくまでテストはユーザビリティを向上させるための第一歩だと考えるべきなのですが。