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NPOやソーシャルビジネスの創業・経営・マネジメント

NPOを一言で説明すると。。。

NPOというのを一言で説明するのは、意外に難しい。


最近、知り合いの大学生にNPOで働いていることを伝えると、「NPOって何ですか?教科書では聞いたことあるんですけれど」と聞かれた。僕は、とりあえず「うーん、まあボランティア団体みたいなものかな」と伝えておいたが、自分のその回答にちょいと疑問を持った。


何故かというと、NPOは純粋なボランティア団体かと言われると、決してそうではないからだ。もちろん、NPOという組織の特性を考えると、ボランティア団体から出発して、そのままNPOという法人格を持つケースというのは多い。例えば、うちらのお膝元、神戸なんかでは阪神大震災時にボランティア団体としてやっていたものが、そのままNPO化しているというのはよくあることだ。そのためか、NPO=ボランティア団体というイメージがあったりする。


ただ、私たちのNPOの場合は、提供するサービスや事業によっては、対価をいただく。ここが、ボランティア団体とは違うところだと思っている。「じゃあ、それって企業じゃん。」と突っ込まれると、確かにそうでなくもない。(実際、NPO間では相手先の団体を指すときに、「貴社」「御社」と言ったりするし)


しかし、その事業というのは、企業が自己利益を獲得するための行動である一方、NPOの場合は地域住民や社会のためという側面が大きい。すると、政府セクターと活動が被ることが必然的に多くなる。例えば、社会福祉協議会とか。


また、NPOのほかにも、任意団体というものや市民団体、財団、社団法人、NGOなんてものもある。このへんとNPOの違いを一言で説明するというのは、実は難しい。もちろん、10分ほど延々と話していいのなら、法律的な違いやその団体の性格の違いなどは一通り説明することも可能だ。


一方で思うのは、企業とは何だ、政府とは何だ、というのも一言で言い表すのは結構難しい。それでも、多くの人たちの共通認識として、企業はこれ、政府はこれというのはあると思う。要は、社会的な共通する認識が出来上がっているということ。それに比べて、NPOはまだ出来上がっていない。まだまだ社会的な認識を得ていないということなのだろう。


NPOはまだ新しく始まった動きだし、業界であると思う。それこそ、一種のバズワードなのだと思う。それこそ、Web2.0みたいに。だからこそ、社会が共通的に認識できるようにするために、もっと多く、そして深い活動をして、いろんな人に理解してもらう必要があったりするのだと思う。


共通する認識を持つようにするためにも、言葉は大事。でも、それが共通認識というレベルまで引き上げるために、長い時間と多くの努力が必要なんだなと思ったりする。