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誘発需要とは何か。

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はてなブックマークで上記の記事が話題になっていましたが、コメントは意外と辛口。誘発需要という考え方であれば、このドクターが言っていることも一理あるのではないかと思います。

誘発需要(Induced demand)とはなにか。まず、Wikipediaを引っ張ります。

Induced demand, or latent demand, is the phenomenon that after supply increases, more of a good is consumed. This is entirely consistent with the economic theory of supply and demand; however, this idea has become important in the debate over the expansion of transportation systems, and is often used as an argument against widening roads, such as major commuter roads. It is considered by some to be a contributing factor to urban sprawl.

誘発需要とは、供給が増加したあとに、より多くの商品が消費されるという現象のことである。これは完全に経済学の供給と需要の考え方と一致している。しかし、この考え方は交通システムの膨張についての議論において重要になってきており、主要な通勤路などを拡張することに反する論拠としてよく使用される。スプロール現象の要因として考えられてもいる。

もうひとつ。Walkable City: How Downtown Can Save America, One Step at a Timeより。

Induced demand is the name for what happens when increasing the supply of roadways lowers the time cost of driving, causing more people to drive and obliterating any reductions in congestion.

誘発需要とは、車道の供給量を増やすと、運転にかかる時間的コストが低減され、結果的により多くのひとが運転することになり、交通渋滞を軽減させる効果をなくしてしまうことだ。

通常は需要が先にあってそれを供給が満たすというのが基本的なモデルですが、誘発需要は全く逆のことが起こり得るということです。供給を増加させるほど、需要が拡大するということです。

交通システムのことだと、ある道路が毎日渋滞するとします。そのため、行政が道路の車線を増やしました(供給)。すると、渋滞が緩和するどころか、もっと多くのひとが自動車で通ることになり(需要)、結果的に渋滞は緩和されないということが起こり得ます。

これはもちろん都市計画についての話ですが、医師誘発需要という考え方も提起されています。意思誘発需要については詳しくないので、それについての論文のリンクを貼っておきます。

Slide the Cityとは

facebookで最近よく見掛ける動画があります。


Slide the City - YouTube

なんじゃー、こりゃ、めちゃ面白そう!これ、日本でできひんのかなーと思って、ざっと調べました。結論としては、イニシアティブがなくてもよいなら可能ってところでしょうか。

以下、調べたこと。ソースは主にホームページから。

  • アメリカとカナダの都市で開催しようとしている。2014年7月にソルトレイクシティで開催されたのが初だと思われる。
  • プールの長さは1,000フィート(ざっと3km)。
  • 一回1,000人くらいの参加を見込んでいる。
  • 参加費は、早期申込で$15、通常予約が$20、当日券が$25。野外ライブのような腕に巻くバンドをくれる。
  • 時間は12時から19時まで。
  • 浮き輪を持ってくることを推奨。今後は、出店や音楽イベントも併設する予定。
  • 当日ボランティアを募集。3交代制で5時間ずつ。
  • マクドナルド財団とユタ州エイズ財団の助成を受けている。
  • 運営は、Nexia Holdingsというソルトレイクシティの会社。理美容、メディア、不動産などを行っている。事業会社というより、投資会社のような感じ。社長は弁護士。LANTERN FESTというイベントも始めている。なんか見たことあるテイストのサイトだ。

ということがわかりました。なんというか、ソーシャルな感じの匂いを漂わせておいて、イベントで釣ろうとするのが透けて見えるなと感じました。

みなとこうべ海上花火における緊急時のソーシャルメディア対応

先週、2014年8月2日に神戸ではみなとこうべ海上花火が開催されました。10,000発、約30万人を動員するという神戸の中でもかなり大きなイベントのひとつです。今年はなかなか興味深い出来事があったので、備忘録ついでにメモしておきます。

当日、朝から雨模様

過去にあったかどうかは知りませんが、当日に神戸では朝から雨でした。今日開催されるかどうかが不安だったので、神戸市のホームページを確認したところ、

雨天決行、荒天中止

とのこと。確かに荒天ではないが、それなりに雨は降っている。どうするんだろうと疑問に思っていました。

昼、神戸市のホームページがつながらなくなる

13時あたりから神戸市の花火大会のホームページがつながらなくなります(完全に落ちたわけではないようです)。「これ、決行かどうかはどうやって判断するんだ?」と思って、Twitteで「神戸花火大会」で検索すると、次のTweetがバズっていました。

え、誰?と思ったりもしたんですが、RT1,052、FAV559ということで、結果的に何度もタイムラインで見ることになりました。

コールセンターはつながらない

この情報を頼りに、15時過ぎにコールセンターに電話するものの、まったくつながらず。そりゃ、30万人のイベントですもんね…。これはTwitterしかないということで見つけたのが神戸新聞Tweet

 完全に速報扱いです。RT581、FAV69。これで会場に行くことを決心しました。

ここで思い出すわけです。あれ、神戸市のTwitterは?

https://twitter.com/kobekoho

神戸花火大会には全く触れず!ちなみに、Facebookも全くスルーでした。

神戸市がやるべきだったこと

みなとこうべ海上花火という大イベントに雨という緊急性から考えるに、めちゃくちゃ多くのひとたちが問い合わせすることが想定されたわけです。そのときは1通でよいんですよ。主催者である神戸市がTwitterFacebookにひとつだけ投稿してくれれば、あとは参加者が拡散させるわけですから。

上で紹介したふたつのアカウントが信頼できないというわけではなく、公式情報がどれだけ大事かってことです。

今回はデマが拡散したわけではありません。ただ、このようなイベントの緊急時対策を検討する際に、TwitterFacebookの対応を考えておくべきという教訓が得られたのかなと思います。

ちなみに、LINEは観測範囲ではなかったので、まったく分からずです。